遺言書

遺言書による相続登記

日本では、遺言者の最終意思を尊重するため、遺言内容が優先される遺言相続主義となっていて、遺言が無い場合の補充的規定として法定相続分の規定等があります。 また、遺言は満15歳以上に達した者で、遺言する意志さえあれば、誰にでもできます。 そのような遺言書には、自筆証書・公正証書・秘密証書の3種類があります。
◆自筆証書
・方式
遺言者が全文、氏名、日付を自書し、押印。
・メリット
作成が最も簡単。 殆ど費用がかからない。 遺言の存在を秘密にできる。
・デメリット
紛失、偽造、変造の恐れがある。 相続人に発見されない場合がある。 家庭裁判所の検認手続が必要。 方式違背や内容不明瞭で無効になる危険性がある。

◆公正証書
・方式
遺言者が証人二人以上の立会いのもと、法務大臣が任命する公証人(裁判官、検察官、法務局長、弁護士を長年つとめた人から選任されます)に遺言内容を口述し作成。
・メリット
紛失、偽造、変造の恐れがない。 公証人の関与があるため、効力を否定されにくい。 検認手続の必要が無い。
・デメリット
費用がかかる 証人や公証人に内容が知られる。

◆秘密証書
・方式
遺言者が遺言書に署名押印、封印し、公証人および証人二人以上立会の元、提出
・メリット
遺言書の存在が明らかにできる。 内容を秘密にできる。 本文はパソコンや代筆でも、遺言者の署名押印があればよい。
・デメリット
手続きが面倒 検認手続が必要

近年、遺言書を作成される方が急増しています。 後々の遺産相続をめぐる争い(いわゆる争族)をできるかぎり防ぐためには、公正証書で作成するのが望ましいと言われています。 実際、過去10年間で公正証書の作成件数は1.4倍にもなっています。 公正証書による遺言は、滅失や変造偽造による危険性がなく、公証人の関与があるため、効力が問われることも少なく、不動産登記を申請する際に検認手続が必要とならず、すぐに登記ができます。

望ましい遺言方法と言われている公正証書ですが、遺言当時に、遺言者の意思能力が備わっていたかどうかを争点とする遺言無効確認訴訟が提起されることが近年多くなっています。 特に死亡直前の遺言に対して、争点になることが多いので、できれば意思能力が問われない、できるだけ元気な内に作成するようにしましょう。