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アパートの賃貸借契約を更新したいのですが、家主から更新料を請求されています。
契約書には更新料を支払うと書いてあります。
最近、更新料の支払特約は無効との判決がでたと聞いていますが、どんな内容なのですか。

更新料を支払う特約について、大阪高裁が「消費者の義務を加重する」ものであり、「消費者の利益を一方的に害する」として消費者契約法10条に反し無効であるとの判断をしました(昨年8月27日判決、本年2月24日判決)。8月の判決は、賃借期間1年、月額賃料4万5000円、更新料10万円という契約内容の事案について判断したものです。裁判所は、更新料の根拠について、1)最初から更新拒絶が予定されている場合は極めて例外的であるから、一般的に更新拒絶しないことの対価と認められない、2)更新拒絶には貸主が自己仕様するなどの事情が必要なため、通常は更新拒絶の正当事由は認められないから賃借権強化のための対価とも認められない、3)契約期間途中の解約の際に精算することが予定されていないため賃料の前払いとも認められないとしました。その上で、本件更新料は対価性が乏しいから「借主の義務を加重する」ものとしました。さらに、借主の経済的負担が大きく、更新料特約の根拠について説明がなく、とりわけ法定更新の場合は更新料を支払う義務がないことも説明していないことなどから「消費者の利益を一方的に害する」と判断しました。
 これに対し、同じ大阪高裁で更新料特約は有効であるとの判決(昨年10月29日判決)も出ています。この事件は、賃借期間2年、月額賃料5万2000円(直近の更新時に5万円に減額)、更新料2か月分(直近の更新時に1か月分に減額)という契約内容の事案でした。裁判所は、更新料をとるかわりに月額賃料を低く設定する方法が一概に社会正義に反するとは言えないこと、本件更新料は賃借期間に対応する賃借権設定の対価の補充と認められ、契約時の説明によって借主がその意味を理解することが可能だったこと、更新料の金額が適正であることを理由に、消費者契約法に反しないと判断しました。
 交際の判断が分かれているため、最高裁がどのように判断するか注目されていますが、現状では、裁判所は、更新料を支払う義務があるか否かは個々の契約ごとに具体的な検討をして判断していますので、一律に支払義務がないとはいえないことに注意が必要です。