法律相談B

腰痛持ちの会社員です。友人が新しい寝具で腰痛が良くなったと、寝具店に連れて行ってくれました。
店の主人も、人が良さそうに見えましたし、しきりに腰痛が治ると薦めるので、その場で買って使うことにしました。
でも2ヶ月使っても変化はありませんし、最近では腰痛に効かないとの新聞記事も出ています。代金を返してもらえますか。

民法では、人を騙して商品を買わせれば詐欺となり、これを取り消して代金の返還を請求できます。但し、売主に人を騙す意思があったことが必要で、事例では、知人も店主も腰痛に効くと一応信じていたかも知れず、そこが不明確です。
 こうした場合、事業者と消費者との間の取引について、消費者保護の視点から内容を律した消費者契約法が注目されます。その規定のひとつに、店主(事業者)の真意はどうあれ、勧誘目的が契約上の重要なことで事実と異なっていれば、買い主(消費者)は契約を取り消すことが出来るという定めがあるのです。「腰痛が治る」ということは商品(寝具)の品質上重要なことで、それが事実に反していましたから、たとえ店主に騙すまでの意思がなかったとしても、取り消しできるといえるでしょう。その場合商品を返還し、代金の返還を請求できます。一時使用して消費者にも利益があったといえる場合には減額もあります。(なお、「腰痛が治る」という宣伝は、薬事法上も問題があります。)
 消費者契約法は、事例のような誤認を与える勧誘のほかに、消費者が、帰りたいと言っても、なかなか勧誘を止めず、あげく困惑して契約してしまった場合も、事業者が無理強いさせたとまで言えなくとも取り消せるとしています。
 また、消費者契約法は民法などの一般の法律の原則と比べて、一方的に消費者に不利になるような契約内容は、無効になるとも定めています。例えば、契約違反の場合に、消費者の責任は重くし、事業者の責任は軽くするとの契約内容は、違法・無効なのです。
 ところで、この消費者契約法の一方的に不利益な内容と言えるかどうかに関して、昨年、大阪高等裁判所が、借家契約の更新料の定めが消費者に一方的に不利益になるから無効だとの判断を下しました。1年毎の契約でその度に2ヶ月分の更新料という事例ですが、今後の動向に法曹界も関心を寄せています。