遺言の方式

自筆証書遺言

自筆証書による遺言は、自分で自筆して作成する遺言のことです。証人の立会い等も必要なく、最も簡単に作成できる遺言と言えます。相続開始後に庭裁判所の検認が必要になります。(民法1004条1項)

【長所】
・一人でいつでも作成可能。作成費用も安価です。
・気軽に書き直すことができ、訂正が容易です。
・遺言をした事実も内容も人に秘密にすることが可能です。

【短所】
・遺言は厳格に要式が定められている為、要式などに不手際があった場合、無効になってしまうことがあります。
・遺言を書いた後、紛失したり、勝手に破棄されてしまう可能性があります。
・執行には家庭裁判所の検認が必要となります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者が公証人に伝えた遺言の内容を、公証人が公正証書として作成する遺言です。最も証拠力が高く、確実な遺言方法と言えます。

【長所】
・作成は公証人が行なうため、証拠力がとても高いです。
・原本を公証人が保管する事になるため、紛失・改変の恐れがありません。
・家庭裁判所の検認は必要ないです。
・字を書けない人でも、遺言が可能です。

【短所】
・公証人の手数料など、ある程度費用がかかり、作成手続きに手間がかかります。
・遺言の存在と内容について秘密の保持が難しいです。
・証人の立会いを必要とします。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言の存在は明確にする反面、その内容については秘密に出来るという遺言です。遺言書を作成し、封印、証人二人と共に公証人の前にて、自分の遺言書である旨などを説明します。しかし、内容については公証人の関与がないゆえに、法定内容について争いになる可能性もあります。

【長所】
・遺言の存在を明確にし、なおかつその内容の秘密は保つ事が可能です。
・公証されているゆえに偽造・変造の恐れはないです。
【短所】

・手続きが多少複雑です。
・紛失・未発見の恐れがあります。

危急時の遺言

危急時遺言とは、死が迫り署名押印できない遺言者が口頭で遺言をのこし、証人がそれを書面化する遺言の方式です。病気などで死に直面している人に認められる一般危急時遺言、船舶の遭難時に認められる船舶遭難者遺言が法律では定められています。

隔絶地遺言

隔絶地遺言とは、遺言者が一般社会との交通を断たれている場所にいるゆえに、普通方式による遺言をのこせない場合に認められる方式です。伝染病隔離者遺言と在船者遺言が法律では定められています。